最近、「注射で痩せる薬」「食欲を抑える薬」として話題になっている肥満症治療薬。
実際に体重が大きく減る人も多く、「夢のダイエット薬」と感じている方もいるかもしれません。
しかし――
薬をやめた後、体重はどうなるのでしょうか?
この疑問に答える研究結果が、2026年1月に医学誌BMJに掲載されました。
薬をやめると、体重は「思ったより早く」戻る
イギリス・オックスフォード大学の研究グループは、
肥満症治療薬を中止した後の体重変化について、多くの研究をまとめて分析しました。
その結果、次のようなことが分かりました。
▶ 薬をやめると、体重は平均して
1か月に約0.4kgずつ増加
つまり、半年で約2~3kg、1年で5kg前後増える計算になります。
しかもこの体重増加のスピードは、
- 食事改善や運動などの「生活習慣改善」をやめた場合より
👉 薬をやめた後の方が早い
という結果でした。
血糖値やコレステロールも元に戻ってしまう
肥満症治療薬は、体重だけでなく
- 血糖値
- コレステロール
- 血圧などの「心臓や血管に関わる数値」
を改善する効果もあります。
しかし研究では、
これらの良い変化も、薬を中止すると約1年〜1年半以内に元の状態に戻る
と予測されました。
「体重が戻るだけでなく、健康面のメリットも消えてしまう」
という点は、とても重要です。
「たくさん痩せた人ほど戻りやすい」わけではない
意外なことに、
- 薬でどれだけ体重が減ったか
と - 薬をやめた後にどれくらい体重が増えるか
には明確な関係はありませんでした。
つまり、
「たくさん痩せたから、リバウンドが大きい」
という単純な話ではなく、
薬をやめた時点で、誰でも体重は戻りやすい
ということが示唆されています。
研究者が伝えたい一番大事なメッセージ
研究チームは、次のようにまとめています。
「生活習慣の改善を伴わない、短期間だけの薬の使用には注意が必要」
肥満症治療薬は、とても効果的な治療法です。
ただしそれは、
食事・運動・生活リズムの見直しとセットで使うことで、初めて意味を持つ
ということが、今回の研究からはっきり見えてきました。
まとめ:薬は「魔法」ではなく「きっかけ」
肥満症治療薬は、
- 痩せるきっかけを作る
- 生活習慣を変える助けになる
という点では、非常に優れた選択肢です。
でも、
- 薬だけに頼る
- やめた後の生活を考えない
場合、体重も健康指標も元に戻りやすいのが現実です。
「薬で痩せる」ではなく
「痩せ続けられる生活習慣を作る」
これが、これからの肥満治療で大切な考え方と言えそうです。

